3月号
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は1ページのストレチアに添えた材R対ペクラメンをみてみよう。ネコヤナギ料と同じものだが、ここではその用い方を変えてみた。猫やなぎの枝を柔らかく曲線にためて、この曲線の茎を左右にひろがるように花器の中からさし出した。また、その枝の線が交互に行き迩うような形に組み合わせて花形に変化ージの瓶花、猫やなぎとシを作った。な感じに形づくったが、ここでは曲線状に柔らかい形に作ってあるところに注意して欲しい。同じ猫柳でも全く変わって見えるではありませんか。副材に挿したシクラメンは濃い紅色の花で鉢植えから切りとったのだが、猫柳とシクラメンの配合も中々面白い。猫柳の後方へ花を入れて枝の線を美しく見せてある。1。ヘージの猫柳は直線的cこの椿は「妙辿寺」という。紅色の一重つばきで花も大きく咲きぎわの美しい椿である。京都の妙連寺で栽培された椿が原種だということだが、いけばなには使いやすく花と葉の形もよく好ましい品種である。ラッパスイセンは品種の多いものだが、淡黄色の花を数多く挿すところが美しい。二、三本活けるよりも十本程度、花をそろえて配列すると、二刑、その花の美しさが感じられる。この盛花の花器は暗白色の陶器で、匝径50センチ、深さ10センチ程度の大ぶりの水盤で、たっぷりとした花器に幾かな花を活けた春らしい美しさをもつ盛花といえる。花器の右方へ株もとを寄せて左方に水而をみせている。花器の内部の美しさをみせようとする‘―つのエ夫である。R淡紅の桃の茎はやさしく美しい。直線に立ち登った枝の揃った調子は、明るくのびのびとしている感じである。この桃は単弁の淡い紅色だが、温室咲きの花がふっくらと咲いて、女性的なやさしさを感じさせる。昔から桃には棒、菜種というのが通り相場となっているのだが、あまりにも半凡で常識的であるから、桃には、テッボウユリ、スカシュリ、ラッパスイセン、バラなどをつけると感じも変わってみえるし、またカュウ、モンステラなどを配合するのも而白い配合になる。写真にあるように、桃の枝は平凡に枝線を揃えないように、斜につき出る形、枝の前後の璽なりにも変化のあるように考える。テッボウユリの白い花、濃緑の葉が、形と色のしまりを作っている。を四作掲載した。二月より三月へかけての作品だが、それぞれの材料の個性を考えて、その花の引き立つような活け方を考えたつもりである。また、活けやすく出来上がりのよく見える配合でもある。シクラメンは鉢ものの中でも大きい株のものから切って使うと、かなり長い寸法のものがあり面白い調子の花が出来る。5.6.7ページに春の瓶花盛花6 R 桃テッボウユリ

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