3月号
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'ー,越廼農業組合長の松原巧氏に事務所でお会いすることができた。京都生花株式会社の西村藤市氏や吉村寛氏よりの紹介をいただいているので、松原さんも多忙な時間を待っていていただいた様子であった。松原氏は実に温厚な人だった。はるばると訪ねてきた私達の労をねぎらうために特別の配慮をしていただいたこ93, とは泌謝に堪えない次第であった。早辿、越前水仙について各方面から質問をさせてもらった。以下は松原氏のお話の要点だが、なれない私が速記したので、誤りがあるかも知れないが、その辺はご了解を得たい「現在の越前水仙は自然に咲く(12な品質統制を行なつており、越前水特殊な電照栽培によつて10月に咲かと思っ゜⑪ 月1日)ごろの露地栽培のものと、せる早期開花のものとの二種類になつています。いずれにしても市場に出荷するものは園芸栽培のもので、ともすると水仙は野生で出来るものと思われやすいのですが、中々、そんなものではありません。ことに越廼の農業組合は出荷に際しては厳重仙の声価をおとさないように常々注意をはらっております。R ご承知の通り、越前海岸は磯には暖流が流れており、遠海は楽流が流れています。その関係で北陸の特殊地帯となつているのですが、それもこの越廻を中心として二里ほどの海岸地帯に限られています。暖流の関係で海岸に沿うた山の下から百メーター程度の上までは雷も少なく暖かいので栽培に適し、それ以上のところは寒いというわけです。12月に入って開花し、水仙の咲くのはこの百メーターまでの低い丘の斜面に咲くわけで、ここに段々畑を作つて栽培しているのです。自然に咲く露地栽培のものは新年用の花として出荷されるのですが、別に早期栽培の研究を色々やつています。現在、10月に入ると水仙が京阪地方の花屋さんで見られるのは、越前水仙の早期栽培の品種なのです。R 色., 1::11 10

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