3月号
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③前は濃く書き、後方は淡く書くと遠近感が出ます。後方はうす墨又は筆のかすれなどを利用して、軽く細く書きます。前方を強く書き、後方を軽く書くと奥行きのある画が書けます。うまく調子をつけると写真よりも前後の深さを感じるようにかけるものです。鉛筆で書く場合も同様です。また、画でなくても線がきの略図でもよいわけです。この場合は前方へ出る枝は太く線で書き、後方の枝葉花は細く書くと前後の差が作れます。濃い鉛筆、淡い鉛筆の二本で前後を書きわけることもよい方法だと思います。④絵の好きな人だったら花の色をつけておくと、花の色調が記録できますから、一脳よいことだと思います。鉛筆画だったらクレ。ハスを使って、ざっと色をつけておくのも結構です。活けた日を書いておくこと、花の名も記録しておいて下さい。③の写真では丁寧にサインまでしていますが、これは無駄なことです。⑤さて、白い壷に木蓮と紅椿を活③ けたのですが、平凡な瓶花で花としては、まあまあというところです。大体、木の材料はなんとなく古くさい紙じがして、形式的な感じになりやすいと思います。ことに枝のさびた調子のよい材料ほど古風になりやすく、思い切った変調な形の材料でないと平凡なよさ、ということになりやすいのです。この点は特に注意がいります。この木蓮の様によい枝振りほど平凡な趣味の花となりやすいのです。花数葉数の少ないものほど画きやすいと思います。練習して下さい。⑤ ④ 人体、いけばなは写真よりも画の方が、その実際がよくわかります。線の太さ細さ、図の濃淡で前後を区別して行けるからです。「盛花瓶花の本」を九月に発行予定で印刷にとりかかつていますが、これが出来ましたら、の本」を作る考えでおります。この邪から一年がかりで代表的な生花を活けて、それを私が写作して「絵で見る四平の仕花」といった淵チで、図版のみで記録したものを本にしたいと名えています。厚頻しくも下手な圃ですが、なんとかものにしたいものと考えています。米年の冗月隕までに本にしたいものと、今のところ、意欲だけ心いっぱいに名えております。「牛花6

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