3月号
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花を活けてその形をしつかり覚えるためには写生するのがいちばんよい。毛筆は少しむづかしいから鉛箪画で結構、とにかく写生する習慣をつけると、花の配合を記録することにもなり、形もよく覚えられる。ばっと見るのと、描いて一っの枝振りや花の配附、葉の形などを記録する場合とは、注意の仕力も迩うし、画はとにかくとして枝の前後や、冗なりなどをしつかり見ることになる。絵は苦手(にがて)だという人は① 大体の線がきでもよかいら記録しておくに越したことはありません。何回となく繰返すとその内に格好よくかけるようになります。いけばなの画はそれなりに書き方があります。それをお話するために写真にとり、このページを作りました。三枚の写真は毛筆でかいているところ、一枚は鉛筆で写生しているところです。沿ものをきて格好よく書いているのは私ですが、なにもあらたまつて芯ものをきる必要はありません。お花のノートを用意しておいて、気軽るに書くようになさい。きつと効呆があります。正直、こんな格好で紙を手に持ち毛筆でいけばなの写生をしてから随分になる。幾万枚というほど書いただろうと思っ。一枚かくのが丁寧に書いて三分間程度、時間をかけるほど真実に遠ざかる。その要点をしつかり見ておいて、さっと早く書くほど真実に描けるものです。勿論、なれているからでもありますが。とにかく、あなたも害いてごらんなさい、花以外の勉強になります。② ①花器に比較していけばなの大きさ、枝の長さ高さなどをしつかり見ておき、その要点だけ紙面に小さい点を打つておく。その点のところまで枝葉や花が出ている、という記号です。次にうす墨又は鉛筆で軽く大体の形を書きます。③次に濃い晃をつけて、下書きの線をたよりにして、花の前方にある枝、花、知梨などから、前の方から告いてゆくわけです。後方は前部が大体書けてから書きます。前から必ず害くことです。こまかいところは揺てておいて後から書きそえればよいわけです。鉛筆で書くときも同じ順序でかいて行きますが、出絵の場合でも軽い細い線で古きはじめ、段々と出来上つて行くにつれて獄く太い線を加えます。最初に形どりをしたうす墨の線があつても気にしないで、そのJに吉き、また仮書きの線が残つていても、またそれはそれで面白い圃になります。鉛節の場合は消すことができますが、下図の線はそのままにして上絵の線を炭く書きつけてゆく方がよいわけです。こんな手早い書き方をして行くと、いけばなの画は、真実と少しぐらい変つていても、その要点を記録して行くことができるのです。5 しヽ>カけばなの絵を専渓iつ言ましよぷノ

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