3月号
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かなり大作の瓶花である。孟宗竹に小枝のついたものを主材として、花器は口の広いたつぷりとした壷である。この太い竹2本も花器の中へ入っている。大葉のモンステラ4枚、ストレチア3本、足もとに白椿を入れてみずぎわの形をととのえた。横はば五尺程度の大作だが、会場の花としても、洋間の広い部屋、和室の大きい床の間など、いずれにも調和する作品である。竹が太く団くるしい感じがするのだが、実際作品ではそれほどでもなく、花骰の中にゆつくりおさまつている。花器は紫紅色の大振りの花堺で、重い花留具を使って留めてある。左右対照的に花材を配閥した花形だが、その中に左の形、右の形に変化のあるように考えた。てあるのだが、三カ月をへた今日もまだ色も新鮮な緑色をみせている。11月のすえに切った竹を水につけR R二月十五日の今日、花屋をのぞいてみると、初花の「ほたん」があった。花も小愉で躁も凶々しく形も悲いのだが、初ものの魅力にひかれてとりあえず持つてかえる。だらりとした柔らかい葉をなんとか、格好よく祈けようと苦心した花がこれである。それでも春の季節悠があって般かな感じがする。牡乃にはまだ旱く温至咲きのものも一二月に入らないと花も葉も充分ではない。丹波焼の壷に抑したが、葉のくせをなおしたり、悪い葉をすかしとつたりしてどうにか形をととのえた。いずれにしても牡丹のいけばなは、こんな小化瓶に一、二本入れる程度が好ましい。椿の大輪咲き、ぽたんなどはかさ蒻く括けないで、ひつそりと落秤きのある形に活けるのが好ましいと息う。上品な慇じ、炒かな地じ、あまり手を入れずに花器におさめるのが、いちばんこの花を引き立てることになる。もちろん一秤抑しがよい。4 RR 竹・モンステラストレリチア椿ボタン一種

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