3月号
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①より⑱まで桃と淡黄の小菊2種の盛花。この益花は1月下旬に活けた花で、湿室咲きのこの桃は花が少くあまりよい材料ではない。しかし枝の調子は桃らしい素朴な枝振りである。桃はどの場合も大体こんな形のものが多く活けにくいものだが、このぽつんとした枝の調子に桃の個性があって、それをうまく形どるように考えることが技巧といえるだろう。⑰桃小菊梅のさびた枝、のびたずわえ、白花の菊をあしらいにつけて、朱塗の漆器水盤に活けた。写真でみると少し花器には淋しくみえるが、花器の色が朱色で広々としているので花はこれで充分である。梅のさびた枝振りの中に白い菊の花、緑の葉、朱色の花器、美しいきわだった色彩である。高くさした菊の1本がよくきいている。⑱梅白中菊自由花型11 ⑰

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