3月号
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応用花型⑦盛花二瓶飾り主材黒芽柳普段使わないような変わった形の花器にいけることで花刑テ乞工夫するのも応用花型の稽古になるが、花器を二つ使うことで、左右の花型や色合いのバランスを工夫するのも、自分で考えるよい勉強となる。調和しつつ対象的な二つの花器を選ぶことは意外と楽しいことである。黒と白や、赤と黒、或いは同系色の濃淡の組み合わせというふうに考えてみるといい。花器の形や質感については、実際に二つを置いてみて、合う合わないを考える。同じ陶芸家の花器を二つ使ってみることでも、新鮮な感じのいけばなになる。黒芽柳は猫柳の突然変異で、他の柳の花穂が白いのに対して黒または赤茶色なのが特徴。枝もチョコレート色をしているので、色彩の鮮やかな洋花を取りあわせるとモダンないけばなになる。作例では黒い花穂を集めるように林立させて、その下にアネモネを集めた。ギリシャ神話では春の優しい西風に等えるように花を咲かせるアネモネ。二つの花器の色に合わせてアネモネをいけわけ、色彩を印象的に感じられるように構成している。このガラス花器はスウェーデンの副材アネモネ4

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