3月号
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すりがらす〈〈〈うわぐす町2頁の花〉オランダで開発された大輪種のアマリリスは殆ど一年中花屋で売られている。作例の白花もその一種だが、朱色の方は在来種の春咲きアマリリスで、最近大変良くなった。以前は丈も低プ\花の色もくすんだ朱色だったので大輪で色の鮮かなアマリリスと並べるとあきらかに見劣りがした。そして他の花との色映りも悪いので一種挿しの生花にしか使わなかった。だがここまで色が良くなると、色彩を重んじる盛花にもとり合わせられるようになった。本来は春咲きなのだが、温室で開花を早めたものが真冬の、つちから売り出されるので、春を先取均する花材として有難い大輪の明かるい花である花材議。議義:ご色リカ、、リラスス二鉢色3頁の花〉黄色のブラウスに紫色のスカートというとり合わせ。これは難しいというより大概の人が着てみようとは思わない配色だろう。だが花同士だと大変鮮かな美しいとり合わせになるのはどういう訳なのだろう。3頁の盛花に使ったカシミアのマフラーは、素子がその鮮明な紫色に惹かれてつい買ってしまったのだそうである。はじめから身につけるつもりはなく||当然そうだろう||向分のいけばなに使ってみたくなったらしい。この紫色をベlスにして花を選ぶとすれば、同系の淡紫色やピンクが無難なのだろうが、小さな米粒ほどの花弁が群がる黄色のオンシジュームを選んで、盛り上がらせ、その下に赤いガーベラの色をきかせて、そのつなぎに淡色のガーベラをそえ、無色の磨硝子のコンポートにいけて紫色のマフラーの上に飾ってみると、まだ、?すら寒い日の多い三月のいけばなとして、華やかな暖かみの伝わってくる美しい盛花になった。花材オンシジュlムガーベラ花器無色磨硝子コンポート敷物紫色カシミア・マフラー4頁の花〉花器として使ったのは、の深鍋である。「これで御飯を炊いて下さい。とてもおいしく炊けますから」と頂戴したのだが、紬柴の黒がピカピカしないで落ち着きがあり、形も良いので先ず花をということになってしまった。底に懐紙を三枚重ねて敷き、その上に剣山を置いていけるのだが、食器や炊事問パを花器として使う場合、黒い磁器4

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