3月号
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□□中間主型(ちゅうかんしゅけい)というのは、中問に力をこめて作る花型です。前回の留主型とやや似ていますが、留主型は下部に流れる様に出る花型で、この中間主型は全休の中段より右方へ流して出す形です。伝統的な立花に「中段流し」という形がありますが、それと同じ考え方で、中間が右方へ長くのびた形になります。材料によっては、この中間が長く垂れる様に作ってもよいわけです。雪柳、たれ柳、アカシャ、こでま中間主型りの様に、たれものの材料を、この花形に活けるとよく識和します。真と副に対して、中間がはりあう様に、「逆三角型」となる形ですが、花器は広花瓶に活けるといちばんよく調和する花形です。中問が長くなるので自然、前右にさし出すこととなり、これに対して、真が左前に出るから前方へ重心がかかることになります。そのバランスは、副と控をぐつと後方に出して、前後のバランスをとり、また奥行きを作ります。副材の花は前憧と、中間の位置にも入れ、控にも力を入れて挿します。花器の中央に株もとを作り、左右をすかせる様に考えて活けます。Rさんしゅう、白大輪菊の2種で「中問主型」を作った。さんしゅうは直線のものが多いから、少しためて柔い曲線をつくり入れる。この写真には、真、副、胴、中間、控の各部にさんしゅうを入れ、菊を高く2本、ならべて中間に重ねて入れ、前方に低く1本(前悴)を挿し、みずぎわをととのえる。胴は低く挿し、中問の枝とのバランスを考える。R黄色の花、れんぎようにやぶ椿の二種、花器は紺色の広れんぎようの形は、Rのさんしゅうと同じ考え方で、この場合は、控をかなり大きく形づくり、中間のれんぎようの枝と重なる様に挿した。椿の控に力を入れてさした形である。この様に基本型といつても、枝の長短、花の分量など自由であるから、自分の思うままに入れるのがよい。花瓶゜8 . 瓶花と盛花の基本花型⑤ R R

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