3月号
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三月の花材について第三師郵便物認可桑原専脱流いけばなテキスト333号1991年3月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専脱流家元発行定価五00円いつか三月は中途半端な月だと書いたことかある。かなり冷えこむHもあり‘中旬過ぎ‘ようやく春らしい暖かさに喜んでいると月末に大井が降ったりすることかあって、天候も気分も落ちつかない。だかいけ花にとっては大変花材の豊富な月で、陽春の草花や花木の殆どが出揃う。だが季節よりも早過ぎる花には注意したい。例えば牡丹でも寒牡丹でなく春咲きの品種が十一月頃から売られているか、余程慎重に管理して育てられたものでない限り、花はサ家華でも葉が弱々しいので、どういけても勢いのない姿になってしまう。作例ではまずオンシジュームに合わせて明るい空色の花器を選んだ。そこでオンシジュームの賀色をより鮮やかに見せるため大輪の白い牡丹の花をとりあわせたのだか、この牡丹の葉はしっかりしていたので生き生きした姿に形良くおさまっている。春の花の配色の一例として黄色と白を主調にして、トルコブルーの花器を選んでまとまりをつけ明るいいけ花である。花材オンシジューム白牡丹花器トルコブルー花瓶

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