3月号
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一一月三百の朝日新聞の「世界花の旅」でカリフォルニアポピlの話が出ていた。この花の群落は私達には信じられない程広大で、百年程昔には幅八十キロ、長さ八百〜にわたって黄金の湖のように広がっていたそうである。花の一本、一輪を野にあるようにいける小品花から教えられる植物の繊細で美しい姿と心、だがこのカリフォルニアポピ!の作る恐しく広大な群落の美しき、というよりは驚きを一輪挿では表現しきれない。又美しく咲き群れる花でも、その中から一本を手にとってみると停過ぎていけにくいものもある。私達が花をマッス状(かためて)にいけるのは群生する花の強きを知っているからであろう。マッス花型は中作以上のいけ花で小品花かためていける重厚な力強きを求める場合よく使われているが、小品花にこの方法をとり入れると、弱々しい花も明るくゴージャスな感じに変る。この花型に使われる花は茎が長くて葉が殆どついていないポピl、アネモネ、カーネーションの他に、はじめから塊まって咲く紫院砲や最近よく使われるレースフラワーのような花である。そして多くの場合作例のように塊まって咲くエリカと茎の長いアネモネといった咲き方の異った花がとりあわせられる。そして作例のアネモネのよ、フに少し聞をあけてかためたり重ね合わせて挿すこともある。この二種の花材の組み合わせは図のAからFまでが基本的な花型として応用される。’B 10 C

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