3月号
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私達日本人は住居の設えを季節毎に小まめに変えなから雑して行く。季節のとらえ方は幾分か早目で、彼岸桜も梅の花の終りかける頃、お花見に先立っていけられている。八表紙の花>彼岸桜は云うまでもなく、春の彼岸時分に咲く。固ぃ蕃しかつけていない細枝は寒桜のように佗びしいか花か開きはじめると華やかな桜色に毅われる。この作例では‘まず苔木の形のよいところを40ー50丑に切ってしっかり組み‘できるだけ花器の口の端によせて留め、あとから挿す桜と椿のいけ口を作っておく。彼岸桜の花の多そうな枝を選んで苔木の前後に挿して桜の古木のような感じに見せる。不規則で乱れた水際を隠しながら緑の潤いを与え、桜の花の況いピンク色をひき立たせるには紅椿が最適だろう。浮き立つような春の色を古銅の花器で落ち着かせている。花材彼岸桜藪椿花器銅花瓶八2頁の花>表紙の投入と同じ傾向で自然調の盛花だか、ここでは紅椿に代る主色として杜若をとりあわせてみた。桜の花の色に対して杜若の花の紫と葉の若緑は昔から好んでいけられ苔木Jt しっ.りこけ`9<ぁぅ2彼岸櫻

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