3月号
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〈表紙の花〉大きく枝を拡げた樹が、咲いた花の色に覆われる花木。その美しきには、高さと幅、そしてそれがどこまでものびのびと生長し続けて行きそうな生のみずみずしさが宿っている。優しい桜色、純白の花木、花色によって感じさせられる想いは様々だが、黄色に咲く花はとりわけ暖かい春の陽射しに輝くように明るい。川山部勤の花は、猷抑制ほど派手ではなく、古木の枝の雅味が愛されてきた。私も古典的ないけ花には山莱頁をよく使っているが、表紙のような現代風投入の例はあまりない。作例に使ったのは山茶東の若枝だが、枝先には花がついていないのでその部分は切りとって花の多い部分を集めて挿している。その背景のようになった白い枝のかたまりは骨骨を漂白したもので山菜英の黄色を明るく浮かび上がらせている。花木と漂白花材のとり合わせでは緑がないので、植物的な色あいの緑の花瓶をあわせてみた。かなり大きないけ花で高さ、幅となる作例である。花材山莱英漂白一昨砂花器緑色角瓶もMH川ほどあり、いけ花展の参考に花木2

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