3月号
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)iこの頃は皆さん自動車に乗ることが多くなった。電車に乗ることは段々と少なくなったが、たまに急がないとき、市屯に乗ってのんびりと座つているのも中々よいものである。乗った以上は急いだって仕様がない、お互いに呉越同舟といった気分で、ほんやりと外をながめたり、雑誌を読んだり、よくない越味だが、じろりじろりとあたりを見廻して車内観察をする。いろいろな生活の人が、いろい電車の中でろな目的をもつて電車に蛾つているので、見方によっては中々而白い。京都なればこそこんなのどかな車内の風景もあるわけで、東京や大阪では中々大変、この点でも京都の生活は恵まれていると思う。さて‘―つの仕事に長い年月うちこんでいると、いつしかその職業のよさも悪さも自分の姿、形の中に入って来て、自分ではそれとも気づかないのに、他の人にはよくわかる臭味があるものである。自分もお花の先生なので、電車の中でこんな種類の人達には、殊控に重点を晋いて作る花型です。乙の花型は奥行を特に深く作る楊合に効果のある花型で、控に分紐を多く入れますから、花型が後カに強く引かれる様になります。それにバランスを持たせるために前方の真と胴をこれも弥く出して、つり合いをとります。出来上ると而白い花型となります。写真Cは前面より見た写真で、奥行がわかりにくいが、控にユーカリを大きく入れ、胴には小さく入れています。左方の梅は副です。に興味をもつてながめる様になる。いけばなの先生、お茶の先生、能や謡、日本舞踊、画家、お医者さん。それぞれがすぐそれとわかる顔だちと服装をしている。あまりよい感じはしないが、それとわかる様な人逹は、必ずその追ではまずまずという人逹で、またそれを得々としている人逹でもあろう。どの職業でもそれとわからない姿、形の人達はすでにその仕事をしつかり自分のものに仕上げている人達に追いないと、さて、自分を見かえして、じつと膝がしらをながめてみる。控主型(写真.Cおけいこ帰りらしいお嬢さん。悩員電車の中で、花束を窓へ向けてぐいぐいと押しつけてくる。そこには私が座つているのですぞ。美しい百合の花だが、ところかまわず押しつけられるのは大迷惑です。花もいたむだろうし、第一、失礼です。ときどきにらみつけて見るのだが、このお嬢さん、宝塚の花糾が何時か花材花型c 気をつけて下さいよ梅チューリップ控主型ユーカリ控主型を側面より見るcの写真の側而。これで見ると控のユーカリが一ばん頂く入っていることがわかる。左方は真の梅、胴のユーカリ。随分傾けて控とのつり合いを考えて挿し,てあります。中央に見えるのは副、この花型はむづかしいが奥行を作るために勉強になりますから、よく研究して下さい。ら、国糾は月附と15日がお休みと、ややこしい広告を党えるのに一几懸命らしく、中々気がつきません。長い編針で子供のセーターを編む奥さん族とともに、車内迷惑の代表選手。(漫画浜村+平三)7 C (控主.型側而)

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