3月号
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⑪今回の花展では時間がたりなくて生花を活けることが出来なかった。四瓶だけ生花を活けたがこの作品はそのうちの一作である。サンシュウの一種挿し、写真が悪くて残念である。⑬レナンキュラスの赤い花、緑の葉。ハボタンの紫の葉。花器は古い中国の均窯(キンョウ)の壷、フランス製の台、この配合は変わっており、色彩的に美しい作品だった。思いがけない取合わせといえる。(強い青色の花瓶)⑲いけばな展というものは、短い準備日(生け込み)のわずかな時問のうちに、数多くの作品を作らねばならぬという、まことに不合理な性質をもっているものなので、いつもながらその前日、少なくとも四l五Hは全く不眠不休といった状態である。ことに今回は一人で40作を作るのだから、覚悟はしていたが、その数日は殆ど睡る時間もなかった。この水仙の立花は朝日会館の生け込みを終って帰宅したのが午後且時、それから午前6時まで徹夜で件った立花である。そしてすぐ会場へ持ち込んで午前8時、会場の作品を手なおしをして、まもなく入場者が入ってくるという。そんな中で作った水仙の立花。連日の疲労で居眠りながら活けた花である。その夜のロイヤルホテルのパーティーまで、19日ー21日を通じて、3時間の睡眼しか出来なかった。6 ⑪ 生花サンシュウ一種⑩ 立花スイセン紅椿

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