2月号
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~ 會.'9'令t ゜口口鳴・きのうは伊良湖岬の旅館で、わびしい一夜をすごしたのだが、今日は温室まわりで多忙な時間の連続だった。菊の栽培地をみて、その努力は大変なものだということがわかったが、これが私達の手もとに廻つてきて、いけばなになるのかと思っと、一本一本が大切なものの様に考えられて、菊を手にとりながら生産地のあの和地の温室を想い出すのである。和地の温室村から1キロほど行くと海岸に出る。カットの写真にあるように、岩岸の間に海が見えて、はるかの水平線まで黒々とした冬の海がひろがつている。風はあるが暖かい陽ざしである。海岸の砂浜で漁夫が十人ほど集つて、引き網の手入れをしている。のどかな渥美の風景だった。さて、涅美の菊は冬の温室菊であつて、五月ごろまでが季節である。初夏から盛夏へかけては長野県の冷涼栽培の季節となる。このごろは夏でも美しい花をみることができるが、長野県の低湿地方で特殊な栽培法で作られる夏の花が多い。真夏でも美しい花の菊や百合、その他の草花をみることができるようになったが、まことに最近の園芸はすばらしい進歩をしている。私達は消費者であるけれど、その花のふるさとを訪ねて生産の状況を知ることも必要なことだと思つのである。現実をはなれても、まことに「花の旅」は楽しいものである。この温室の菊は少し花季に早い新年用の花にちょうど頃あい。c ー`・グ.温室のそと、温室の中あつて、どの温室も菊がいつばい。温室の中に畑がそこに直接栽培されている。⑪ 戎‘漬... 11 .. ,. L 一“. Iヽ, <-` ・`., .

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