2月号
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R梅、洋蘭のシ。フリペデウムは褐色と白と緑と交った色の花、庭に咲いた寒椿(かんつばき)の紅の花。この3種で瓶花をつくりました。花器は漆器で褐色と黒の角型の背高い花器です。銅のおとしが入れてあります。さびた金色で新しい様式の図案がある。この3種の配合は色彩的に調和がよく、まばらな梅の枝と緑の葉の寒椿(さざんかの種類)、それに洋蘭寒つばきシ。フリ。ヘデウムの色と形が明るい感じを添えています。花型は梅の真副胴、中間と留の部分に洋蘭、中央の前(前置)と後方に深く寒椿を1本入れて奥深い形になつています。基本型の少しくだけた形ですが、中間の位置にある蘭を低く挿し、その右方に斜前へ出して高く蘭、その下部に前斜に留の蘭の花、という配置ですが、後方の椿を梅の枝と重ねるように深く、左方へ出して配色の効果を考えています。前方に低く梅の枝を入れて、長い花器の上へ重なる様にして、下部の形に変化をつけました。梅の枝を真副胴に入れ、この線の美しさに注意してあります。枝、花、葉を美しい技巧で仕上げることはどの場合でも必要です。Rろうばいは黄色の花が12月に咲きはじめます。猟月に咲く梅という意味で「猟梅」と名づけられています。二月ごろまで咲く香りのよい花ですが、この写真のろうばいは、上方を切りとった太い枝を中央に置きその後方に深く長い枝、下部右方の軽い枝、この3本で立体の花型を作りました。後方の枝が直立しており中央の太い枝は少し前方へ傾いています。紅色のチューリッ。フ3本、中央の花は前方へ傾斜しており、左方の花は後方に、右方の花は少し右斜に傾いています。花器はやきしめのろうばい(猟梅)チューリッ。フ褐色の壷、小型の花器に花を大きく挿してありますが、軽い枝なので、直味を感じません。自由な花型で、この場合は基本型のことは考をずに枝を活かすように新しい形を作ったのです。チューリップは温室咲きの茎と葉のしつかりしたものを選び、水揚げると花の形が上方へ登りますから、活ける前日に花器に挿しておくと、いよいよ活けるときに形が整つて、活けやすく花も永もちします。2 R梅... @ ⑧ R

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