2月号
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ろ’っ。ポピlポピlH正確にはアイスランドポピ!。名前通り北半球の北極に近い地方が原産地である。日本には一九一五年頃波来し、シベリアヒナゲシとよばれていたそうである。そんな寒いところに乙んな美しい花が本当に咲いているのだろうか。父の若い頃。神奈川県の大山の餓で満開のアイスランドポピ!の花畠を見たそうである。友達の別荘の近く、最初に見た日は室りだったが、次の日は晴れていたので文見に行ったそうである。朱色っぽいオレンジ色、黄色、白の花、か一面に群がり咲いていて嬉しくなってしまった。「あんな美しい花畠、すぐに名前を覚えた」と云っていた。それ以来一番好きな花の一つ、ということらしい。いろんな想い出もつまっているのだとり合わせたのはクリスマスローズ。緑色、かかった白花とピンク。この少し紫色、かかったクリスマスローズが上にのばしたポピiの明るい色の支えになっているのだろうか。花器は海の色に似た深い青色のガラス花瓶。この花瓶で全体の色にまとまりをつけられたようである。ガラス窓の外は北風、部屋の中はほっこり暖かい。そんな花。花材アイスランドポピi花器クリスマスローズ紺色ガラス花瓶〈2頁の花〉桜子ん\。それでも三月の末にはよく雪が積アネモネ頁の花と同じような、もうそろそろ暖かくなってくれでもいいのにと想っているような色のいけばなである。秋に小さな球恨を植えておくとパセリのような葉、か生えて、四月になると作例のよヲつな色の花が咲く。園芸の好きな人は花患に植えているが、切り花はハウス栽培で卜月から四月まで花屋に並ぶ。花弁に見える等片は薄くて弱そうに見えるが、水切りするだけでよくもつ花材である。オンシジュlムの明るい黄色をとり合わせ、早春らしい青麦を後ろにそえている。乙れで色彩だけでなく季節の感触が出てくる。とは一手?ものの、季節の変わり目の節分の頃の京都は一年中で最も寒い。そして寒いからこそ部屋を暖めてこんな暖かそうな花をいけるのである。年中行事の多い京都。二片は吉田神社の節分祭。草山寺の鬼法楽。二月十五日の北野天満常の栴花祭を時々見に行く。節分の頃のきびしい寒さも梅花祭の自分には少しやわらもる。それが過ぎてようやく木当に春が来る。花材アネモネオンシジュlム・オブリザタム青麦花器何]ガラス花鉢〈3頁の花〉機子三月から3

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