2月号
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cうす紫のスイトビー8本、赤のカーネーション7本を、白い洋風くだもの皿に小品盛花として活けた。。フラスチックの小さい容器に剣山を入れて挿してあるのだが、まつ白い皿に、きわだって美しい赤と紫の花を盛つて、葉を入れない花だけの装飾花である。卓上の花として適当な盛花だが、緑はスイトビーの花茎だけというのも少し調子が変つている。いけばなには普通は必ず葉の部分が何割かはあるものだが、時として、花の部分だけという考え方も、案外而白い咸心じのするものである。色をじ題において、普通のいけばなの概念から少しはずれて、こんな作品を作ってみたらどうであろう。これを積極的に考えて行くと、随分、変った作品が作られることになるに迩いない。この次には、そんな作品をお見せしようと息う。スイトビー⑪カーネーシコンはほとんど的な花となつて、平凡な材料になった。ことにこの写兵にある様な赤の雑秤のカーネーションは、よほどうまく使わないと低調ないけばなになることが多い。黄金桧(おおごんひば)は、これも珍らしい木ではないが、冬季になると、黄掲色に黄葉してその光沢が金色の様にみえて、時として、配合する材料によっては、案外、色彩効c 一般呆のある盛花を作ることができるものである。黄金ひばの深黄色とカーネーションの赤とは、配色が美しい。カーネーションの緑の茎が、中間色となって、また、群りのひばの葉の中から細い茎が対照的に形の変化を作つているし、カーネーションの花の配列にも変化があり、平凡な材料を、配合の美と、配列の変化によって、特殊なもち味を作り出していると息う。花器はうす紫の変型花瓶である。 ⑪ カーネーションカーネーション黄金ひば

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