2月号
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新種の花テキストには毎号のように、これは初めてとい、ユ化が使われている。新種の花材には、古くから栽培されていて、交配によって次々に新種の作り出されるバラやチューリップのような花。世界のどこかで見付けられて新しく花材の仲間に入った植物。例えば1月号に使ったコキアも近年花材として使われ始めた植物である。流通機構が発達し、世界の片隅でも、どこにどんな植物があるという情報が行き渡っているので、それを人々が好んで使いそうだということになれば業者はすぐそれを商品化することができる。そんな花材の中にはあまりいけてみたいと思わないような花も多い。ある一部の人はカワイイと喜ぶが、よく見ると貧相な花。変っているだけが取柄で風情も品もない花もある。アンスリュlムは明治の中頃に渡来したが花材として多用されるようになったのは近年のことである。珍らしさで花材として使われるようになった初期のアンスリュlムはきつい赤の仏炎直で、ペカペカしたセルロイドの造花のようだつた。そのうち品種が改変,. されて白地にグリーンのまじったお化けアンスリュlムや小型のミッキlマウスが出るようになってから、ようやくアンスリュl蓄れ積ん町よ今〈叩頁の花〉ムも飽きずにいけられるようになった花材である。新種の花材に惹かれるのは人の心として当然の事だが、一方で私達は廿ながらの花材にも変らぬ愛並事乞抱いている。いけばなの世界ではその二筋が、?まくバランスをとり合って花材面から少しづっ変容してきているのではないかと思う。連越にとり合わせた小輸の苔磁は切花としては初めて見る花色である。作例のように背のうちは濃赤色だが開花すると色がもっと濃くなって暗赤褐色に変わって連趨の黄色い花との対比がずっと鮮やかになった。花材草川被連麹(れんぎょう)アマリリスの葉花器オレンジ色利花瓶開いたチューリップ八日頁上の花V日頁上のチューリップと日頁下のチューリップは同じ貞二輪である。下の三輪を先に撮影してから部屋の温度を上げて聞かせると同じ三輪とは回心えないほど変容する。花材チューリップデンファレ菜の花花器紺色紬コンポート閉じたチューリップ八日頁下の花〉花材チューリップ青文字花待淡茶色焼締水盤10

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