2月号
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私は近頃立花を展覧会に山川す乙とが多くなったυ御家芸を守るというより、立花を立てることが大変楽しいのである。電量の配分を考えながら形をとり、計算通りの姿にすつくり立ち上がった町の壮快感は何とも言いようのないものである。今回の展覧会はお正月に開催されたせいもあって松一色の立花を刑してみた。型式は対闘関で、日さは二m、幅は二・四mある。花器は家K古くからある砂鉢を久しぶりに使ってみたが、太い松の重量感を楽々とうけとめてくれている。又花町にも奥行があったので、大作三瓶をゆとりをもって並べる乙とができた。桑原仙渓。作(上)高さ二m程の投入である。タイ国産の竹の根の重量感と木瓜の幹の太い還しさが、巧みにとられた奥行によって、生き生きと躍動している。そして木瓜の花の色の濃い赤も、その構成の強さによくつりあっていて、他には考えられない色といえる。乙の投入は割合短時間でいけあげられたが、花材に対する信頼と、行届いた計算ができていれば、すらすらと出来上がって行くものである。松一色の立花の横に並んだが、堂々としていて実に気持の良い花だった。お正月を返上して出瓶者一同頑張った甲斐のある展覧会だった。桑原素子・作(表紙)2

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