1月号
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は5センチ程度である。切りはなした細い竹には葉がついており、これが花器の役目をしている。高さ30センチほどの竹で、太さこれは11月29日に切ったのだが、今12日月12日に葉も隆々としてよく水揚げている。一応、水揚げがしてあるのだが、この竹の花器の中に水(意匠花)が入っているのだから、普通の花器に入っているのと同じ意味となる。竹も水あげると一か月位は日もちょく、ほとんど変りなくみられる。新年の床の花としても淡泊で美しい意匠のある瓶花といえよう。この葉つきの竹の花器に紅椿、黄菊白菊、バラなど、調和のよいものだし、玄関の床の花としても窓際に飾る小品花としても適当であろう。写真の花は「シ。フリペデューム」の洋蘭の花2本を軽くさしたが、あつさりとして調和がよい。少し粋な好みともいえる花である。かけ花器に築つきの花器を作って花を活けることもあるが、これも新年らしい好みといえる。ろう梅に白椿の小品花などもよい調和であろう。別項の竹のいけばなでお話した遥り、活ける前(二、三日以前)に切りとつて水楊げをしておいて、たしかめてから仙うようにする。黒い訥板にのせて休の間に飾ると小品ながら新年の花らしい感じの雅趣とこぎれいな花になる。考案が主になる意匠的な花で、括ける花は軽く抑して色どりを添えるような気持ちで活けるようにしたい。囮くるしい感じはよくない。箇のことを害いておく。熊笹のような笹は切るといよいよ水掘げが悪いもので、一応、足もとを焼くか、熱勘で煮るかして、その後に葉全面に「砂納水」の蔀めたものをふきかけておく。糖分はかわきにくく水分を似存することにもなるし、今一っは、砂糖水をふきつけると葉に光沢がつき、笹の枯れる特徴である「舞いあがり」ーー葉の巻いて枯れることーを防ぐことができる。砂糖水をふきかけた笹の葉は、そのままの状態で葉の巻くことはない。これは紅葉の楓も同様で、糖分はそんな役目をしてくれて。大変便利である。くまざさ、矢竹の類を活ける場合に利用されるとよい。竹と洋蘭12

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