1月号
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R南国の花「クマタカラン」の花がおわろと、褐色の実となりその形も中々面白い。冬の実ものの中には山藤の実や、桐の実、春蘭の実のように褐色に枯れ残るものも多いが、いけばな材料として、これに緑の葉、美しい花色を添えて活けると、雅趣のある面白い瓶花盛花を作ることができるものである。Rの瓶花は淡い緑色の方形の花瓶に、淡い褐色のクマタカランの枯れた実も姿も中々変つているし、これにつけた、白椿の緑の葉、白花との調和があざやかに美しい。クマタカランは形も明るい感じの材料であるから、これに白百合、バラカーネーション、アンスリームなどの温室花との調和もよいだろう。Rガーベラは濃紅、淡紅の花をとり交えて4本、特に大輪咲きのものを選んで、これに足もとヘトリカラーの引きしまりのあるものを二株そえて小品のいけばなを作った。この花器は、前月号でお話した備前の窯で作った新しいデザインの花器で、やきしめの掲色凋の陶器である。(西川清翠氏作陶)この盛花は、花器の右端が低いのと、ガーベラの茎がのびやかに長いところを凋和させて、特に低く横に流れるようにさし出して、ガーベラの緑の茎の線の特徴を引き立たせるように考えた。カユウ、ガーベラ、などは、茎の美しい線を活かして形をつくるように考えるのがよいと思う。トリカラーはガーベラの広がりに凋和するように、ゆったりと空間をとつて軽く置いてある。クマタカランの枯実ガーベラトリカラー白椿4 @ R R ⑧

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