1月号
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c濫紺の鉢に却松の枝3本、なんてん1本、白の一文字菊を4本とりあわせて盛花を作った。温雅な感じの盛花である。新年用のいけばなの一般的な好みのいけばなといえる。松はめまつよりもおまつの方が葉色もよく力強い感じがあつて好ましいが、枝振りが荒々しく活けにくいのが普通である。ことに水盤には留まりにくい形のものが多く、枝振りをよく選択しないとむづかしい材料である。なんてんの葉をこの程度までとり去つて活けると、明るい感じがして実の美しさが引き立つ。しつかりとした重量のある花器を選んで花習も大きいものを使ってしつかりと留める。c ⑪淡黄の長方型の水盤に、アロカシアの濃い緑の葉2枚、白と掲色の花シ。フリ。ヘデュームの花3本、その足もとにトリカラーのたて縞のある株を二つあしらつて盛花を作った。袢種の材料の配合だが、色彩的には落粋いており、和室の床の間にも調和する盛花といえる。花形は右へ傾いた応用花形ということができるが少し形式的な形に作ってあるために日本趣味の装飾として和室にも調和することになる。花器をかえて花形をかえると、ずっとモダンな感じに作りかえることができると思う。洋花だけで活けあげる瓶花盛花は、温室の中の花壇をみるように、甘く柔かい感じになりやすい。それへ日本種の材料を加えると、ぐっと強い慇じが加わり落坪きができるのが普通である。洋花とはつきりきまつたものでなくとも、柔かい色彩の温室花は平均して美しくやさしく、それだけに特徴のあるいけばなが作れるのだが、洋花を活けて、しかも落若きのある雅趣を作るのは中々むづかしいものである。そんな意味において、この盛花は参考になる作品でないかと思う。ァロカシアは葉の裏が紅掲色で、葉裏の色に特徴のある観葉植物である。この築の裏面を少しみせて、掲色の色を利用するのも―つの工夫といえよう。水揚もよく茎の美しい変もので使いやすい材料である。⑪ なんてんアロカシアシ。フリペデューム一文字菊トリカラー3 c松⑨ ••••••

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