1月号
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花型株分け二種挿し花器灰色柏小判型水盤時々京都の郊外を歩いていると、塀の向こう側の桜の木が花を咲かせているのを見ることがある。多分返り咲きの花なのだろう。桜に限らず雪柳や木瓜も返り咲く。紅葉した葉が枝先に二、三枚残っている。いずれ木枯らしに吹き飛ばされてしまうのだがいい風情である。花屋さんから寒桜が届くと葉が残っていないかたしかめる。もし残っていれば接着剤でとめておきたいとさえ忠う。水仙も、暖流のめぐってくる房総地方や長崎、それに越前岬では咲いている。来、桜の花と水仙の花が出逢、つのはほんの一ヶ月間。うまくその情景をいけてみたい。生花には昔から一定の型がある。窮屈に思えてもその型の中で花は様々な表情を見せる。木枯らしの一瓶。真真留粛寒桜水仙仙7

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