1月号
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ぴなんかずcなつみかんびなんかrらそうである。銀緑色の花材は此頃種類が多くなったのと、大概の色と差障りなくと均合わせられるのでよく使われるようになった。作例の小品花では、ピンクのミニパラと花器の赤をひき立て、しかも全体のトlンをやわらげながら花型を整える役に立っている。花材ミニチュア・ロlズ美実台、男iねか葛葛ずらとよぶより、通称の美男葛という笠削の方が親しまれているのではないかと思う。私の昔住んでいた家の裏庭の藤棚に、藤の代りに美男葛を這わせていた。毎年初冬になるとつやつやした赤い実が沢山下がり、その向うに、まだ小さな青い実をつけた夏蜜柑の大きい木が植わっていた。美男葛とい、22削の由来は、昔蔓から出る無色透明な粘液を整髪料として使ったのでそうよばれるようになった。ところが花材として使、っ場合、この粘液が切口でかたまって導位里乞ふさぐので、切口を焼いてアルコールにひたしてからいける。初冬の花材とよくムQつ蔓物である。花材美男葛花器備前焼風焼締花瓶語小コキ型ア赤ガラス鉢白椿〈5頁の花V文英堂さんが先代の『拾花春秋」を探し出して、これを現代に生かしてみませんか、と.玄ってこられたのは三年以k前のことだった。最初は文英堂さんも私もFJ舌パでと考えていたのだが、生花なら絵の万がよさそ、つである。だが絵の方は全く素人の私にどんな絵が摘けるのだろうと自身のありょうはなかったのに、気楽な性分であっさり引き受けてしまった。解説の詳しいことは、誰か国文学者が書いて下さるのだと思っていたところ、田辺聖子先生にお願いしてきましたということである。えらいことになってしまったと考え込んでしまったが、今更どうにもならない。そのうち一度おひき合わせいたしましょうということになってはじめて田辺聖子さんのお人柄にふれたのだが、そこで何とか努力して多少なりともましな絵を描かなければという決心がついた。そこで、先生の源氏物語の御著書を三冊頂いたのだが、源氏物語の、そして平安朝の大宮人の世界とはこんなものだったのかと今迄の想像、それは日本史の表面をかすっただけのものであることを知った。田辺先生は紫式部になり替わってその世界を描いておられるような気がする。国文学の先生の解説では私もこんなに自由な生花の絵は描けな源氏・拾花春秩5

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