12月号
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実、花器白色粕花瓶ヲ。。私達が寒桜といっていけている桜フQ。従って、まばらについた花と、散晩秋、少し暖かい日が続くと、新聞によく季節はずれの桜が満開、という記事がでている。彼岸桜系には、秋十月頃に一度咲き、春再び咲く十月桜という品種があり、これはいわゆる返り花とか、狂い咲きの桜というわけではない。又彼岸桜には、もともとこういう性質があるせいか、早い季節に切り出してきて、一度冷蔵庫に入れて寒気にさらし、その後温室で開花適温で何日間か管理して咲かせた桜もあの正しい名称は私にはよくわからないが、季節感としては、晩秋から初冬へかけての風趣をいける花材であり残った照り葉を生かして、春の桜よりひっそりした姿にいけたい。生花は稽古の積み重ねによって、しっかりと花型を頭にきざみこみ、手ぎわの良い技巧を身につけておかなければならないが、又その中に自然のままの小枝、或は趣きのある枝茎の交差はよく考えた上で残すべき必要がある。「過ぎざる技巧」ということで、花材によっては叩%まで技を生かさなければならないものもあるが、目指す境地は自然と技巧の完全な一致融合であろう。寒楼7

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