11月号
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。4すうじゅんせ句串吉柳の四季からだにいいことそろそろ上賀茂や鴨川の岸辺の帝柳が紅葉しはじめる秋の終わりの景色。古いお屋敷の土塀の上からのぞく錦木の照り葉との色の対比。見入ってしまう色構成だ。でも十二月になると落葉してしまう。そして十二月も半ばを過ぎると洛北には時々雪がつもる。そんな時巷になると上賀茂辺りへ見に行きたくなる。雪柳の細枝にふっくらと雪がのる。上賀茂神社の外を東に流れる明神川の雪柳。いつまでもその姿をとどめていてほしい。十月下旬から十一月にかけて色んな菊が見られる。古くから咲いている品種の菊には、「今年も会えましたね」とご挨拶。新しい顔触れには「これからよろしくお付き合いを」と心の中で声をかける。日々の暮らしのうちで味わえる季節のたたずまい。晩秋はそれを深く感じさせてくれる数句である。花器「体にいいものは、私嫌いなの」これはシャlリl・マクレーンが、ある映画の中での台詞である。娘に何か体にいい食べ物をすすめられ花材菊三種雪柳紅葉茶色粕花瓶機ヱれソーしト品、つノたとき、こう云ってそっぽを向いて家に入ってしまう。気に入った言葉なので私も時々使いたくなるのだが、私がそんなことを云ったら楼子に、そっぽを向かれること請け合いである。皆はつまらないと云、?かもしれないが、B級の西部劇からでもいい言葉を聞くことができる。「私には友達が一入居る。何年か会つてないけど。だから忠は男だ」人には心を許して何事も一緒にできる相手が必要だと尽っ。たとえ何年も離れ離れで暮らしていても、何か思いたったとき、その行為をその友がどう評価してくれるだろうか、と考えるものである。それは男でも女でも同様ではないだろうかと田ザっ。私達は一生の聞に色んな言葉を聞いたり読んだりして過ごしてゆく。いい言葉でもすっか句壬ωれ去ってしまっていたり、遠く過ぎ去った筈の言葉でも、ふと思い出して心によみがえってくる言葉もある。いい本もよんだしつまらない本を面白がったりもした。つまらないことに夢中になっていた時も多かった。そんな泥沼に落ち込んでいたとき救い上げてくれたのは友であり、良い言葉が聞けたことであった。これからも気をつけて読んだり聞いた9 {山驚

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