11月号
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はおず占とむしぴrさ止あいほお(第三穫郵便物認可1985年U月お日)桑原専慶流いけばなテキスト瑚号2005年日月l日発行(毎月l回l日発行)桑原専慶流家元発行しん清時代の初め頃、蒲松齢という人晩秋になると、鬼灯の実を覆っていた専は、葉脈だけ残って、中の真赤な実が透けて見えるようになる。はじめて見たのは、宇治の内海さんの旧宅の庭だったが、何と美しいものだろう、造花の妙とはこんなことなのかなと感じ入った。ほおずきは「鬼灯」とも「酸紫」とも書くが、私は鬼灯と書くのが好きである。鬼というと角が生えていて、牙をむき出して虎の皮をつけた赤鬼、青鬼を思い浮かべてしまう。だが大昔、中国で作られた漢字の「鬼」は、死者の霊と云う意味の言葉だそうである。勿論鬼にも善い鬼も悪い鬼もいる。死者の中でも魂が冥土に行き着けずに、この世とあの世の問でウロウロしているのが幽鬼である。中国の昔話には幽鬼の話が多い。勿論悪鬼も出てくるが、中には生前の人柄そのままに、文雅な鬼もいるし、教養豊かで心根が優しく美しい女性の幽鬼もいる。が、古くからの幽鬼や異類(動植物)と人との交流の話、奇妙で不思議な出来事五百余篇を集めて「柳薪志異」という十二巻本を書いている。話に出てくる幽鬼の中には仙女のように美しく賢明で愛情深い鬼がいる。誰もが心を惹かれる幽女なのだ定価五OO円ほおず占ほおずさFZU一\\者名君−一内亡者ωUM凶Ej印。ロ一内O?の。ョが、人前には滅多に姿を現さない。そんな幽女が科挙(高級官吏の登用試験)にそなえて勉強中の眉目秀麗な書生に出会、っ。お互いに心惹かれて結婚するのだが、寄生も幽女と承知している。幽女も円分は鬼ではあるが、お側で此方にお仕えさせて下さいと心情をこめて云う。そして少し貧乏な害生に代わって家政を切り盛りして家計は豊かになり、書生は勉強にはげむことができて、試験に主席で合格する。幽交と書生の聞にはチ供もでき、その子も秀Jで科挙の試験に合格して、宰相の位まで昇りつめる。日本の幽霊話に登場する女の幽霊よりずっと高級なのである。詩才もあり、琴も弾き碁も打つ。一緒にお酒を飲むと話も楽しい。子供の頃からこんな中間の話が好きで今まで読み続けている私なので、ほ鬼おず灯さの専が枯れて、中の真赤な実が透けて見える姿を見たとき、これを美しい幽女が手に提げている灯火を連相心したのである。他愛もない鬼灯に対する思い入れなのだが、鬼灯に楓の枯れた実をそえてみた。花屋でストックしているうちに枯れてしまったものだが、花器と枯実の茶で鬼灯をひき立てた。花材鬼灯の実楓の種花持飴色柚.崩輩鬼灯仙粛

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