11月号
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もみいぶしやき力だった。ところが中国の揚子江の中流から下流にかけて七千年から八千年前の稲作遺蹟が見付かったので、そこが起源地だと考えられるようになってきている。私達日本人は、縄文時代の晩期から約三千年間お米を食べてきたのだが、つい最近までは、お米といえば現在食べている日本米のことだけしか知らなかった。稲は大別してジャポニカとインデイカの二種あることはよく知られるようになったが、稲の祖先種にはもう一つグラベリマ稲というアフリカ原産品種もある。アフリカ西海岸ので小規模に栽培されている。作例に使った稲は黒米とよばれている古代品種だが、籾の中は空で、いわゆる枇(しいな)である。花材としての稲は完全に稔ったものだと、いけてもその重みで折れたり曲がったりするが、棋だとその心配がない。花屋だけでなく、フラワーデザイン材料の店で売っているのも扱いやすい枇が多い。コスモスには六、七月に開花する早咲種と、秋になって日照時間が短くなってから咲く二系統がある。日本では秋の花とい、司感じが{季着しているので、作例のように黒米ととり合わせると季節感がふくらむ。コスモスは葉を殆どとっていけるコlト・ジヴォアlルやニジエクルこともあるが、茎の細い稲のようなとり合わせでは、からみ令尋木だけ切り取り、作例程度残しておく。花材黒米コスモス花器焼焼水盤薮山査子やぶさんざし花型副流し花器灰白色紬深鉢薮山査子は雪の下科・酸塊属の落葉低木で関東以西の山地によく野生している。薮のつかない山査子は蓄蔽科の植物でヨーロッパではメイフラワーとよばれ、日本では西洋山査子とよんでいる。近頃枝物花材が少なくなってきたが薮山査子は豊富に出まわっている。春の新芽の季節と、秋に実の色付く季節の花材として使われている。宇’r、h,5

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