11月号
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た」とのことである。だが念のためと思って調べてみると、稲科で雀茅属の風草が本名らしい。それなら道端や荒地に群生している野草で、私も見たことはある。ただ野生状態では虫に喰われたり葉が折れたり枯れたりしているので切りとっていけてみたくなるほどのものではなかった。稲科の柄物は米や麦をはじめとして食用植物として有史以前から栽培され、人類の生活を支えてきた。稲科は種類の多い一族だが人類が必要としたのは、そのごく一部に過ぎない。野草としての美しさ、そしてそれを花と見たのは日本人だけかもしれない。薄は万葉集では秋の七草の筆頭といってもいい程の花だし、いけばなでも重要な花材であり続けてきた。風草のとり合わせには秋の野の花もいいかもしれないが、パフィオペデイルム、白花コスモスの方が明るく楽しそうな投入と云える。パフイオペディルム白花コスモス花器淡紅利花瓶竹内真三郎作稲作米文〈化の起源には色々な説がある。つい最近まではインド東部のアツサム山地から雲南地方にひろがる照葉樹埜市を起源地とする学説が有花材風草(道芝、ルビl草)4頁の花V黒4

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