11月号
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はかなり違っているようではあるが、キリスト教以前の古代の信仰は東西で共通している所か多い。キリスト教が普及した中世になっても古代の樹木信仰だけでなく‘巨石信仰も根強く生き残っていたそうである。いけ花という自然信仰に根差した文化が欧米人の心をとらえるのは‘そんな理由からではないのだろうか。それに気付けば欧米人の眼らされていた自然観かよみかえって新しくヨーロッパのいけ花というものか生まれるのではないかと楽しみにして毎年ヨーロッパに出かけている。八11頁の花>赤と白という配色は明快な配色である。万人一様に何か晴れ晴れとした感じを抱くに相違ないだろうから無難な配色とも云える。ただ白と赤の花と云っても、赤のガーベラと白菊のとりあわせでは同じような円形で単純な和洋の花か並ぶのでよくない。花の形の異ったものととりあわせれば、例えばこのガーベラとフリージアのように形に動きと広がりも感じられるようになる。或は全く同じガーベラの白と赤を用いるのは‘先の白菊とガーベラのとりあわせと違って和洋の違和感のない現代的なとりあわせと云える。そして葉が美しく使えない花材にはミリオクラダスや小葉のモンステ11

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