11月号
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JV』シ』ふりヲG。薄と出路島十は庭に植わっているので一年中その姿を見て暮らしている。出臨争は面白い草花で、植えこんだ頃には茎も固く真直ぐにのびていたが、毎年植木屋が肥料を与えてくれたせいか、茎もしなやかな曲線を描くようになり、葉も柔らかみを帯びるようになってきた。随分開花期の長い花で、十月中旬から咲きはじめて、時には十二月まで花の残ることもある。毎年少しずつ自分の領地を拡げて行くので、二、三年毎に間引いて元の広きに戻しているが丈夫な草花で薄も植木屋のお蔭で大きく伸び上がっている。これも植えた時には締麗な縞薄だったのが、毎年背が伸びるにつれて縞目が消えて行き、今では三幻を越す大薄になっている。栄養状態が良いせいか切っていけても水揚げがよいので、いけ花展用の大作に残している。薄と杜鵠草に殿町をとり合わせたが、いずれも秋の身近な自然である。こういうとり合わせは、裏庭の草花を摘んできたままのような、作意の見えない姿にいけたい。花器はやはり龍が良いだろう。烏瓜花器藤龍花材薄杜鵠草庭の花7

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