11月号
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菊種菊(黄・白・赤)花器煤竹寸筒pり1しい。花伝書に解説されている花材の数は、貞享・元禄頃から飛躍的にふえはじめ、又詳しくなってくる。「榔川和信事E」(一六八四)の菊の頃には夏菊四種、秋菊幻種の色や大きさを記載している。この時代になると栽培技術が向上し、菊の母国である中国よりも立派なものができていたそうで当時最も華麗な花のうちにいれられていたであろ、っ。色も香も品が良い上に華やかさをそなえた菊は、いけ花にも重要な花材であり多くの伝承が作られた。その一つに菊の正色を黄とするか白とするかということがあるが、中国の菊の原種が黄花の西安油菊ということなら、黄が本来の色だということになりそ、つである。「忠和除親船Lでは承和(話紀)の黄を正色としているがこれが正解そこで上から賞、白、赤と三輪ずつ九花いけたのがこの作例である。5

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