11月号
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ょ`9;3i}ょ",4ゼ11月の花である。紅葉のななかまどの葉、赤く朱色の実が枝先に見えるのも晩秋らしい印象である。濃い赤色のバラ七輪、開花のものを選んで花を立面的にならべたが、聞花だけを挿したのは、色彩的に強く感じられるように、浪赤色を強く押し出す様な気持で、わざとつぼみを使わなかった。その間に細い曲線の緑の葉、かんぞうの葉が新鮮なうるおいを見せている。花器は高さ万0センチ程度の白色の陶器だが、形も明るい感じの花器であり、美しい花の色を浮き出させていると思う。花を選択するとき、もっとも必要なことは、それぞれの花材の形とその感じ、色の糾合せを考えるのだが、そのときにすでにおおよそ作品のよしあしが定まってしまうことになる。いける技術は大切だが枝葉花の美しい並べ方、奥行、空間、さばきの美しい技巧、それらの深い注意によって完全な瓶花が出来上がる。花材の選択がよいと比較的順序よく仕上げることが出来るのだが、選択を誤ると思う様に進行しないものである。浮きたつ様な美しい瓶花は活ける人の考え方と俊れた技術によってあらわされるものである。ななかまどばらかんぞうの葉2 女

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