11月号
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梓(あずさ)の会は桑原専股流の生花を専門に研究する人達のグルー。フです。同人は十五名ですが熱心な人逹の集りで、毎月一回、家元に集りその月ごとに花材をきめて作品を作ります。そして家JCの厳しい批評や、生花のお話をきいて勉強をしています。最近になってこの会の中で立花を志す人逹が部会をつくり、立花の県礎の勉強をはじめました。このページの仕花二作は、十月例会の作品の中から優秀なものを選んで掲載しました。Rは桑原隆吉作、「あかめやなぎ」Rは竹中疫敏作、「まさき」です。あかめやなぎは右勝手の内副の花形。まさきは左勝手の副流しの花形です。いずれも草の花形でバランスのよくとれた作品。梓の会の秀作生花R 4花の花器として特に定った花器もありますが、最近は陶器の花器のうち、口もとの直線的なものを選択して使うことが多くなりました。陶器は形に変化が多く、色彩、焼成の調子にも変化があって、荏花の感じを明るくするためにも効呆的です。掲載写真のRの花器は赤掲色のたっぷりとした鉢で、内部に砂を入れその上に剣山を低いて、花を活けあげてから更に砂をいちめんにのせて平らにしました。水ぎわを美しくみせるためのエ夫です。仕花は伝統のいけばなですから、花形や活け方にきまりがあり、それを知ることも花形をよくするために必要なことです。たとえば一瓶の枝の用い方は「基本枝」として真、副、胴、留、控の五部です。この五つの基本枝は必ず必要であり、さらに補助枝としてみこし、そうがこい真かこい、の三つの枝を加えて完仝な一瓶を作ることになります。枝ものの材料の場合も、広葉ものの材料の場合も以上の韮本にそうて花形を作ります。これは一例ですがその他に定められた約束が中々多いのです。そして、これを習い約束に従って生花を活けることは、これまでの永い期間に充分研究された優れた生花の技術を‘―つのルールに乗って早く知り、早くよきものを作るためには便利な方法だからです。しかし、永い伝統の間に因習になれた古さびた約束ごとや、作品をよくするために何の必要もない、とりきめなどがあって、この点に改むべきことが沢山あります。しかし生花には花の造形美術としての特異な形式と技法があり、興味ぶかい内容をたくさんもっています。現代の人逹の共鳴出来るような作品が、多く作られることが望ましいと思います。形式を昨敬するとともに、現代生活に調和する仕花が望ましいのです。R 10

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