11月号
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材料と花器について考えてみます。生花の花器というときまりきった様に考えられやすいのですが、決してそうではなく、自由にいろいろ変わった花器を使うべきです。生花のきまった花器などという概念が作品を古くさくする原因でもあり、花器に固定された花形になっていかにも昔の花だな、と思われることにもなるのです。今日の生花は自由な花器を選択して、盛花瓶花と同じ考え方で、色彩と形の変化のあるものを選んで活けるようにします。ただ、生花の技術上、くばり木を用いる場合がありますから、くばり木のかかりやすい花器ということも考えつつ竹器、金属器、陶器、漆器、その他の器物を自由に選び、それに謁和するように考えます。今日的な新しい生花は花器の自由選択とその調和という点に深い注意をむけます。もちろん花器に対する花の色調ということも、瓶花盛花と同じように考えます。そして色彩的な生花を活けるように考えたいのです。次に花材の範囲ですが、古い生花の材料というと、それらしいおきまりの材料を使.っていたのですが、今日では花材の種類も豊富になり、洋花なども多いことですから、これも自由にどんな材料でも生花に活けるという考え方で選択したいと思います。ただ、生花として特徴のある花形を作るために、例えば、おもと、ばらん、かきつばた、しゃが、すいせんその他のように葉組みを必要とする花材は、伝統の技術に正しく添って活けることが必要です。このページRの作品は、「ひま」の掲色の葉、茎の紅色、そしてあしらいの花はグラジオラスの赤色の満脂の花の配合です。花器は黄土色の鉢ですが、新しい様式の花器です。花材と花器が赤と褐色という配合で、ことにグラジオラスの満開の部分だけかためて挿してあるのも変わっています。、\ー\ Rヒマ、グラジオラスの分体花形です(左勝手)右方がおもかぶ、左方がこかぶです。中央にすきまをあけて二株を対照的に活ける花形。材料が変わっていますから、花形もかなりH由な形に作っています。R茶掲色の長い壷にホトトギスを一種挿にしました。真を低く、副を左へ長く、その前方へ胴をさし出し真の右横に添って控を少し高めに挿し、留は葉のみ小さく挿しました。怪やかな流麗な/花です(副流し)4 RR .... ... ヽヒマホトトギスグラジオラス(分体花形)(副流し)@ R

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