10月号
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婚式は花屋さんが集中しているところです。丁度、ニタン島の真中あたりになります。花屋さんを見て歩こうと行ったのですが、生憎、日曜日で、かなりの店が閉っていました。ニューヨークは裔業都市で郊外からの通勤者が多いため、日曜日にはデ。ハートさえ閉ってしまいます。それでも開店している三、四軒の店に入ってみることが出来ました。私が日本からやって来たと告げると別に買物をする訳でもない私を喜んで迎えてくれて、親切に花の値段を教えてくれたり、帰りには赤いバラを持たせてくれました。の花の価格の主なものを記します。バラ(大)一ドルカーネーションデージグラジオラス三十八セント(現在一ドルー三百円ー三百十円)ン)では忙しく花屋さんを尋ねる機会をもつことが出来ませんでした。アメリカでは公園が非常に多いにもかかわらず、その割合には花坦など(LEXINTONSTREET) が少ないのです。ワシントンでも区NEWYORK(ニューヨーク)でバラ(小)五十セントストック四十ニセントWASHINGTON(ワシント中菊七十五セント江戸菊四十ニセントシャクヤク四十画整理がきちんとされていて、記念ューヨーク、マッハッ公幽なども見渡せる限り、敷地はとくてなにもないのです。広がるグリーンの芝生と刈り込みのしてない木しいのですが、日本の庭園やヨーロを思えば、少々物足りなさというか美しさにうとい合理主義みたいなも木々が余り植えてないし、花もないただ広い芝生をもつだけだけど、何故でしょうと私の滞在している家「私達は忙しい上に、日本の様な庭園をもっための伝統がない。歴史がニ十五セント変うらやましく思う。」といってH本のいけばなや茶道、若物などを大(大)+ニセント五セントってありますが、とにかくだだっ広々の陰、アメリカらしいといえばらッパの庭園(写真でみた限りです。)のを感じました。アメリカの家にはの主人に聴いてみたところ、彼はないから先祖から受け継いだ様式ももっていない。日本の様に昔から受け継いだものをもっている人々を大変うらやましがっていました。私も実際、そう思います。アメリカに来て本当に良かったと思うのは、日本の文化と比較出来たことです。その為に改めて、日本の文化や伝統の諒さを再確認することが出来ました。次にミシシッビーに二週間滞在しました。そこで花の好きな私にとってとても素適で偶然なことが待っていました。私達はミシシッピー州立大学に居て、英文学の授業を受けたのですが、その大学は特に農学の部門の秀れた大学でした。丁度、園芸の夏期講座でフラワーアレンジメントのクラスがありました。彼等は日本から来た私逹をとても喜んでくれて、ぜひ日本のいけばなを見せて欲しいと強く要望するので、ある日、私達日本人三人が、「いけばなデモンストレーション」をすることになりました。材料と器具(剣山や用器)に適当なものがなくて、たが、努力の末、何とか皆さんの前で発表することが出来て胸をなで下した訳です。又、持参していたいけばなの本やテキストを見せるなどして私達の足らないところを補ったのですが、少々国際親善の役割りをした様な大層な気分もしていました。突然の申し出で、出来上りの評価は別としても、「参加したことに意義」を見い出して下さいます様に。アメリカの人々の花屋さんのイメージは、日本の人の抱くそれと迩っています。それは、「花一本をちょっと買いに行ってくる。」という感党ではなく、むしろ祭礼(葬式・結お見舞いなど)に合せて謁逹するための店という傾向をもっているからです。それ以外に花が必要な時はもちろん買うことは出来ますが束かダース単位です。私が花の値段を聞くと必ずダース単位で答えが返って来ます。花一本一本などというのはやっかいなことらしいです。ニューヨークでも事愉は同じでした。大体にして、アメリカはフレュシュな花は非常に高いため、普段家庭に飾るために花は買いに行かないようです。色んな家庭存見る機会を褐ましたが、買った花を飾っている家庭はなかったようです。とにかく牛花が高いのですね、日本の三倍以上はするようです。そのために、普通結婚式などの祭礼だけに、ブーケやかごに盛ったもの、ブランデーグラス苦心しましの大きい装飾用のものの中に盛ったもの、その他様々な容器や花材を使って工夫をこらしたものを、デザイン料と共にお客は買ってゆきます。大きなお店にはフラワーデザイナーが何人か居て、彼らが注文者の値段や好み場合に応じて飾りつけするようです。カーネーションをまるでストロベリーサンデーの様に盛りつけたもの、ローソクやリボンをいっぱいつけたものなど様々で、作っているのを見ていると、日本のいけばなを見なれている私などはとても驚かされます。花に対する見方、考え方が違うのだなあなどと思ったりします。まさにデコレーシコンするといった考え方です。アメリカ人が何といっても一番よく使い、そして好むお花はバラです。そして又、一番高いのもバラです。一本バラが一ドル(三百円)するのですから驚きます。そのお花は冷蔵庫に保存されています。日本でしたら新鮮なお花が店頭に所狭しと並べてあって、それは毎日のように市場から運ばれて来ますが、アメリカでは、食料品と同じ様に冷蔵庫が発達していて、お花はそこで比較的長く眠らされるようです。毎日新鮮なお花と取りかえられるということはありません。というところから考えても、物の鮮度には非常に無関心と言えます。毎日の食べ物に缶詰を多く使います。そして野菜も魚も肉も冷凍食品を凍解して使うといった生活ですから、非常に生活自体が鮮度に無関心の結果、微妙な感党にうといのでしょう。それと同じようにやはりお花に関してもそれが当てはまると思います。家庭に使うには生のお花は非常に高いと善きましたけれど、そのかわりにどこでもドライフラワーやホンコンフラワーでデコレーションしたものが多く使われています。そしてそれらは不息議にアメリカの家庭にマッチしています。じゅうたんや辟+紙の明るい装飾に調和するのでしょったない文と乱筆はいつものことながら、旅先でのことをお赦し下さいませ。いつも考えるのですがお花のことは勿論ですが、先生に教えていただいたことは心の奥に沈み、時にふれ折にふれ思い起します。大学で学んだことは段々と薄らいでゆくけれども、先生に日々の生活の中で話していただいたことはより鮮明に心の糧となって行きます。先ftへの感謝の念は私の成長の度合いでもあります。大菊一ドル•11 入っ゜

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