10月号
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NA(インデアナ州)では秋の様な<FLAT(平べったい)という言渡辺千代子さん(岡山県金光町)は、梅花女子大卒業後、京都桑原専渓氏のもとに内弟子として一カ年修業、七月より渡米、ミシシッビー州立大学において英文学研究。(岩沢雅子氏門)祇園守りの花が咲き始めた頃に日本を立って早や、五週間ほど経ちます。私の滞在していますINDIA微風がそよぎ、時には上衣さえ重ねなければならない天侯です。日々は快適に過ぎてゆきます。私の現在居る、ここINDIANA州、MARION(マリオン市)という所は田舎町で五大都市の一っであるCHICAGo(シカゴ)から車で三時閲ほど南に走ったところにあります。市内から少しはずれると延々とどこまでも続くとうもろこし畑と、じゃが芋畑、豆畑が見られる、そんなところです。アメリカの典型的な白いペンキ塗りの家は、そんな青く緑に包まれた芝生と畑と森とに程良く調和しています。アメリカらしい景色はといえば、目地のとどく限り広がる強いて特色のない単調な平野が特色といえます。とにか葉がまさに、びったりとした風景です。その証拠には車で何時間走っても、小山一っ見ることは出来ません。広い畑と所々に濃い林や森の影と加えていたる所に散在する湖、アメリカの中部地帯はこんなところです。この中部地帯は地球の氷河期に南から北に向って移動していった氷河がこの広くて、平べったい湖の散在する地形を作ったと、このあたりの地理、歴史に詳しいアメリカ人が、話してくれました。その他にも、インディアンの名やフランスにちなんだ地名が多いことは、それぞれに無口にこのインデアナ州の開拓の歴史を語っていることなども興味深く聞いたのです。その土地に行って、その土地の歴史古事を聞くことは、そこへの卵味と愛若が深まり、実に楽しいことだと思いました。六日東京の羽田を立ち、日航機で六日夜NEWYORK(ニューヨーク)に舒きました。四日間ニューヨークを車とバスと地下鉄と遊覧船とを利用して見て回りました。自由の女神、エンパイア・ステートビルディング、セントラルパーク、国連ビル、ウォール街を始めとして、この頃ヒッビーでおなじみの溜り場、グ渡辺千代子リニッジ、ビレッジ、映画で有名なウエストサイドストリート、地下欽にも乗りました。アメリカ人は思った通りとても陽気で知らない旅行者にも盛んに声をかけて親切に道案内を永いことしてくれたり、どこへ行ってもスマイルに微笑みかけます。特に女性に対しては親切で、アメリカでは女の子が得をするように出来ているらしいです。女性のための国だと誰かが言っていましたが実際そのようです。ニューヨークは面白いところです。そして二つの顔をもっています。―つはつんとすました五番街(高級買物街、銀座のようなところ)や、すばらしい美術の宝庫・メトロポリタン美術館を始めとして数多くのすばらしい文化施設があると思えば、もう―つはダウンタウン1トサイドや至る所にあるスラム街やサブウェイ(地下鉄)のような下屈市民が集中して種々な問題をもっていたり、いつ何が起るかも知れない極度に緊張をはらんだりする悪しき面とが混沌と混り合っているところです。(私には、それが非常に興味深く感じられましたが。)―つ面白かったことは、ニューヨークのこじきは、男性はネクタイをして、女性のそれは私達よりずっとましで、清潔そうなワンビースを着て、物哀しそうな流行歌などを唄いながら歩いています。実に面白いところです。ニューヨークのレキシントン通りそれにウエスマリオン市から10

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