10月号
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cストレチアのオレンジの花、揺色に少し緑色を帯びたヒマワリの実すすきのねずみ色。花器は淡い青色の壷である。このすすきの感じは雅趣から離れてストレチアとヒマワリに対して調和のよい色としてのすすき、といったように情紹的なすすきではない。すすきの葉をとり去って尾花だけを使っているのも、その感じを出すためである。すすきは静かな印象の材料だが、ここではそれから離れて形と色を主に考えているところに特徴がある。出来上った作品からは明るい感じをうける。ストレチアの異国情緒に調和するように、ヒマワリ、ススキをc ストレチア添加したという考え方である。ストレチアの強さに対する、ヒマワリの大きい枯花の力強さ、そのバランスを結ぶ役目をススキがしている、といえる。そしてこの瓶花は明快な今日的ないけばなである。これと対照的な日本の風雅を代表するような「鮎の宿」の写真をならべてみた。ヒマワリ枯花ススキ⑪あだしの念仏寺より五00メーターほど西に行くと、あたご詣での昔の道、一の鳥居である。この辺を鳥居本(とりいもと)といって、ここから参詣のための試みの坂を登る。鳥居本に二軒の鮎の茶屋があって、これは江戸末期享保年間からつづいた古い料狸屋だが、写真にみるように芝居の舞台にみるような風雅に粋な構えである。裂虹の谷川の水に牛洲を作ってそこから新鮮な鮎をあげて料理してくれる。⑪ り烏と居ぃ本;、,

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