10月号
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c竹を2本長短に切り、それを花器として2瓶の化花を活け調和をとる。「二管筒」にかんづつ、の生花である。二重切筒の生花と同じ系統の装飾的な考案だが、索朴な意匠に生花の独得の味わいと仰かな風雅な感じられる。右方の上管(じようかん)には、「さんざし」の朱色の実と黄築、左の下管(げかん)はに「ひめまさき」という常緑の木を活けた。さんざしは左勝手の副の長い花形(草の形)まさきは右勝手の(行の形)のとり介せである。右の花は大きく左の花は少し小さく活けてバランスを考えてある。れて装飾的な効呆をあげている。伝統いけばなの意匠的な花である。バランスがむづかしく、二つの花形の中央にある空間にも、特別な注意がいる。索朴な感じの中に11本の伝統いけばなの而白さをみせた作品といえる。簡単な花器に二つの花形が糾合さ技術的には左右の花の大きさや、c ⑪なつはぜの紅葉、ツルモドキの朱色の実、これに白の中菊をつけた二利の生花である。花器は涙い緑色の壷で生花によく調和する。写真でよくわかるように、なつはぜの枝葉も軽くさせ、ツルモドキも枝線を活かすように、できるだけ省略して軽やかな慇じに仕上げた。なつはぜとツルモドキは同じ山の木もので環塩がよく調和するし、白菊の花と緑の葉が、小さく引きしまった形で、右方の長い枝に対して、左の菊を小さく入れたところは、生花の伝統的な形のとり方である。この様な自然の枝ものは、生花の形に添うことが必要ではあるが、その中に自然の木の性格がのびのびとあらわれることが必要で、自然を活かして、しかも生花の形に作り上げる形の調和、均衡というのがむづかしいのである。あまり切りとりすぎてもよくないし、形のしまりも必要という二つの間の考え方に、どの程度の形を選ぷかという点に考応がいる。ツルモドキは副も長く、胴も長く必要な枝線を残して、全体の構成について名えた。7 ⑪

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