10月号
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「もたせかける」省略形のいけばな。投入斜体副主型の省略形(逆勝手)主材投入は盛花のように花材を剣山にさして留めるのとは違い、花材を花瓶にもたせかけて留める。この「もたせかける」感覚は経験で少しずつ身についてゆく。最初はあまり難しく考えすぎずに、花瓶に深く挿し入れてそのまま前へもたせかけてみる。花瓶に深く挿し入れると立ちぎみに留まり、浅く挿し入れてもたせかけると前へ傾く。この「立たせる」か「傾かせる」かの具合を、挿し入れる「深さ」で調節しながらいけてゆくことになる。作例ではまず雪柳を足元で下向きに折って花器に深く挿し入れ、次に菊をやや浅めに差し入れて前へ傾け、雪柳と菊の交叉にネリネをもたせかけている。ネリネの茎は花器の底についている。副材雪柳(蓄積科)ピンポン菊(菊科)ネリネ(彼岸花科)上から見たところここに中間のネリネをもたせかけることで、やや後方に立てることができる。投入斜体副主型の省略形(逆勝手)副の雪柳留の菊4

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