10月号
446/579

水際(みずぎわ古典花の立花や)生和花は、足元が一本にまとまっている。しかもその一本の幹のように寄り添って水の中から出ていく部分が、一つの見せ場ともなっている。一方、盛花でも、上の花の形と同様に、足元をいかに美しく見せるかが大切なポイントとなるが、に、水面(水際)近くには、業で程良い繁みをつくることが多い。その一般的場合、よほど近づいてのぞきこまない限り、花の茎が丸見えにはならない。花器に水が入れられて、その上にゆったりと花が生い繁るというのが、盛花のイメージとしてあるが、前あるいは横から見ても美しく見せるために、一番良い葉で水面を際立たせる技術が大切だ。というように、盛花には盛花なりの水際のっくりbの難しさがあるのだが、その盛花の水際に、立花や生花のように、足元を一本にまとめて、あえて茎を見せる技法をとり入れてみたらど、つなるか、と考えていけたのが、表紙の花と、この頁の花である。二作とも二種の組み合わせで、本あるいは三本で構成する、とても単純ないけ方だが、どちらも下にいけた花材の自然な広がりが、上の花材の姿をバランス良く受けとめている、そして水の中にすっくと立った姿からは、不思議な力強さを感じる。これからのいけばなのつのスタ則二イルとして、どんな取り合わせがこのいけ方に合うのか。シンプルで印象に強く残るいけばなをテlマに今後研究していこうと考えている。花材グロッパ(上の花)花持(ジンジャーの仲間)パ!ゼリア(下の花)(南アフリカ原産)赤大理石コンポート8

元のページ  ../index.html#446

このブックを見る