10月号
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びかくしだしっぽな主かまどひM今智りんどうピンク・ウィリ!とい、つのはピンクのウィリl(男の釜削)とい、2意味なのだろうか。ラムズ・テイルは仔羊の尻尾ということなのだろう。牧羊の盛んなオーストラリアらしい命名である。ピンク・ウィリlの方は色々調べたのだが何科の何属の植物か分からなかったが、ラムズ・テイルは熊葛科のラクノスタキス属の植物である。オーストラリアの南西部に六種類分布しているその一種である。私の植物図鑑にはラムズ・テイルと大変よく似た同属の花の写真が出ている。同じような毛でおおわれ小さい球の中に小さい赤紫色の花が咲いて、その周囲に黄色の細く短い雄蕊が放射状につき出ている。阿鑑の解説によると、この宜真は卜月初旬にオーストラリア南西部のバlスで撮影されている。日本は今は秋だが北半球とは季節が反対になる南半球ではラムズ・テイルは春の花ということになるのだろ、っ。乾燥地で育って緑の乏しいピンク・ウィリ!とラムズ・テイルには潤が感じられるように、そして柔らかな毛に覆われた二種の花材の色を際立たせるためにポリボディウムをとり合わせた。ポリポディウムは忍科の媒角羊歯に似てはいるが別科の裏星科の羊歯植物である。ピンク・ウィリ!とラムズ・テイルの色をひき立てるように後に二枚挿し、更にもう一枚を左にのばして動きを与え、水際の立ち上がりをまとめるのに短かく二枚そえた。花器は濃紺も考えたが真紅のガラス器を選んで花のとり合わせをより明かるく見せるようにしてみた。花材ピンク・ウィリlラムズ・テイルポリポディウム花器真紅ガラス鉢七竃の葉色を日本の色名で云うなら多分狸々緋を中心にして深緋と緋色あたりだろう。槍扇の実の少しくすんだ緑は柳葉色に近い。龍脆の花色にぴったりあてはまる色名は見当たらないが紅藤色、或は淡い牡丹色と云えそうである。この三色のとり合わせは襲の色目にもよく似た配色がある。平ム女時代には何枚もの衣類を重ねて着たが、その配色が襲の色Hである。同系色の段階的な濃淡、反対色の思いがけない使い方。よく見ているとここにも住みなれた京都の自然が洗練された球舛見でとり入れられている。七竃の紅葉は表を正面に向けた強い配色の盛花、だが、ここにも日本のいけばなの秋色が感じられる。花器灰白色柚水盤襲の色目花材龍臓槍扇七竃ょうひこ与ひ〈3頁の花V3

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