10月号
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黄みどりのサンキライの実、淡い紫紅色の大輪菊4本を、渋い緑色の花瓶に活けた。サンキライは2本。しつかりとしたものを左方へ長く斜にさし出し、やや細い1本を右方から前方へ出して、まる<円をつくつて、茎の先を左のサンキライにひつかけて留めてある。蔓(つる)の材料は、その性笠を利用して、この様にひつかけて使ってもよい。円い形を菊の前方へ大きく重ねて、菊との問に空間を作ってある。あしらいの花は四本瓶花盛花の根じめに(副材)花をつける場合、4本入れることが多い。3本では単調だし、5本では複雑すぎる、丁度4本という数が一ばん適度の分祉である。材料を買うのも4本がよい、無駄なく使える分且。の形を作り、あとの1本は奥行をつくるために入れる、これが普通のいけばなの使い方である。但し、特殊な花形は分量を増さねばならない。小枝、花くびの折れたとき折れたから駄目だと考えないで、そつとそのままにしておくと、案外、水揚げるものである。ぶらさがる程度のものは思い切つて、切らねばならないが、少し折れた程度はそのままにしておく、そのまま立ちなおるものである。花を洗うと新鮮になるこれから冬へかけて花材のもちがよくなる。活けた花を花器より抜いて、花葉ともに水をかけて洗そうかちょうう様にして、再び活けかえると長もちする。気分も新鮮になり新しいつほみも咲VO活けてからの花の手入れが必要である。活けた第1日目に注意新しい花を活けた第1日目が、案外、しおれやすい、花が新しいのにしおれることがある。水切りをし、足もとを焼く様に注意して活けることが大切だが、新鮮な花3本で根じめ材はよく水を吸いあげる。花器の水も早く少くなる。従って活けた翌日は特に注意しなければならない。花器に水をたすこと。活けた初日にしおれなかったら、これは長もちする花である。夏の花はよくもつて大体3日程度、10月からは5日程度と考えるのが普通である。(特殊なものは別)生花の花の数は盛花瓶花は花材の数に制限はない。何本でも聞子のよい程度に入れる。生花の場合は大輪の花は奇数に入れる、小輪の花は数に制限はない、自由である。ばらん、おもと、ぎぽうし、その他の大葉のものは葉数を奇数に入れる°枝ものの数は、若松の様な特殊なものは奇数(五本、七本)だが、その他の木ものには数の制限はない。とげのある材料はバラ、サンキライ、ハマナス、ノイバラ、の様なとげのある材料は、活けゑ削に足もとの部分だけ、とげをとつてから活けるようにする。花器の上部に入る部分はとらない。みようばんを用意しておく簡単な水揚薬として、結晶みようばん、又は粉末みようばんを用意しておく、四季を通じて草花の水揚によい。花器の中へ小星投入しておくと、水揚液となり、水を清浄にするために効呆がある。つるものは竹にからみついたまま活けるてつせん、つる紫、ひるがお、の様に竹や笹葉にからみついた材料は、そのまま活ける°竹も花材の風雅としてそのまま花形の中にとり入れて活ける。瓶花に使う丁字留の竹瓶花の丁字留として、いつも竹片を用意する。台所用品のつまようじ、竹くしが便利である。8 掃花帖花材さんきらい菊

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