10月号
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すすき、女郎花、ききよう三種の生花を活ける°秋草は五種七種など花色を交えて活けることが多いが、花数が多くなると材料の使い場所も複雑になりむづかしい。秋の七草は、「はぎ、すすき、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききよう」ということになつているが、このほかに、「あさがお、われもこう、野菊、しおん」などを配合してもよい。七種の草花を一瓶の生花に活けるのは、よほど、さばきがよくないと美しく見えないが、これを略して三種、五種程度なれば、技巧がよければ美しいいけばなを作ることができ秋草の生花生花8下G中中中材る。自然咲きの秋草は九月の代表的な花の姿で、生花、盛花、瓶花のいずれにも風雅で美しい花である。この挿図は、九月はじめ挿花した作品の写生で、すすきは(真、見越、副へ葉)おみなえしは(真かこい胴)に、ききようは(留、控)に入っている。ざんぐりと自然風に入れた。さきに二管箇のことを書いたので、そのつづきに三管筒の説明をする。三管筒とは三本の寸筒を長短に切り、上中下の三つの筒を組み合せてそれぞれの筒に3種又は5種の花をとり合せて、配合をつくる生花である。二管筒の場合と同じ様に、上中下の三本の筒には、真行草の花形をと筒管り合せて、また、小と組み合される様に、配合する。例えば上(真)中(草)上(草)(行)上(行)(真)この様に三管の中に真行草の花形をとり合せる。勿論、大中小の形のとり合せも必要である。なおその上に、右勝手左勝手の取合せも必要ということになる。複雑な様であるが、実際にはそんなに複雑ではなくわかりやすい形の配合である。(花形の真行草を配合する)(花形の大中小を配合する)左勝手、右勝手を配合する)以上の三つに要約される。なお三種、五種と花材を配合するる性質なので,低く活けると形が悪い。三つの花形が大中ので、木もの草花をとり合せること、色調の配合のよい様に考えること、太い木もの細い草花、線の細い下(行)①枝もの広葉ものなど、花の姿と色調下(真)②を考えて活け合せることも肝心なこ下(草)③とである。花の種類が多種集る花形であるから、盛花の様に花材の配合に注意することが大切である。ここに掲載した花型図は、代表的な作例であるが、この花型の組み合せを参考として、上中下に真行草を思うままに変えてもよい訳で、要するにバランスのよい組み合せ方をする様に考える。下段の挿図について解説する。① この配合は、上段に水仙、かきっばた、菊、なたねの様な草花を直な花形に小さく入れる段に雪柳、猫柳、エくらの様な木ものを副流しの形にしつかり大きく技巧的に入れる。(左勝手)下段には、ばらん、つばき、菊、せんりよう、小菊などを中型に入れる(右勝手)③ 上段に右勝手の草の形、例えば老松、木蓮、さくら、からもも、なっはぜ、雪柳、ばらん、朝せんまき、べんけい草、菊などを入れ(左勝手)、段に水仙、ラッパスイセン、フリー右勝手)、ニシダ、彼岸ざ青楓など(石勝手)、中段にヂヤ、なたね、寒菊山菊、すかしゅりなどを真の形に活ける(右勝手)③ 上段は中型に行の形、さざんか、アカシャ、さつき、沈丁花の様な花(左勝手)、下段は登り生の形を作り、梅、ぼけ、たれ柳、木述、女郎花、すすきの様に背高く登る形のもの(右勝手)中段には真の形の水仙、かきつばた、姫百合、菊などを活けると調和がよい。2 7 ひろやかにのびのびと活ける。すすきの後方(見越)に女郎花を入れるのもよい。すすきは背高く活ける`葉のひろが花器は安定感のあるものを選ぶ。

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