10月号
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部屋の壁つきの中央の位置に花を飾る。正面、左方、右方の三方から見ることになるから、この場合の花型は少し調子を変えて活けねばならない。三方面に表があるわけだから、最初からその予定で活ける必要がある。事務所、その他のホール、店内装飾のいけばな、廊下に飾る花など必要な場所がある。いけばな展の作品には殊にこんな作品が多い。主として広問のいけばなの場合が多いのだが、瓶花としても盛花としても同様なのだが、この三方面の花の活け方はいろいろ方法がある。花形を高く活ける場合、低く作る場合、殆ど平而的に活ける場合、花材を自然風に普通の盛花瓶花の感じに活ける楊合(写真の様に)花をかためて配列しマッス状に作る場合もあり、多くの方法がある。ここに掲げた写真は、R正面よりの形⑧右側面より見た形c穴側而より見た形の三枚で、盛花は―つの同じ作品である。すすき、ひまわり、はぶ茶の実、淡紅菊の四種で、和種の花材で作った温和な感じの盛花である。花器は、褐色の陶器で、わかりや(正面A すい様に三灼型の花器に活けたが、これは丸型水盤でも、丸い壷でも、花形は同じ様に活ける。三方面の瓶花盛花は、その用途の性質上、(事務所、店鋪など)華やかな花を使った方がよく、バラ、ダリア、大輪菊、てっぽうゆり、洋闇、袢種しやくやく、かゆう、ストレチアの様な大輪の花また、木の材料、葉ものの種類は、老松、もくれん、つばき、厚もの桜、青葉の楓、やつでの葉、モンステラ、ミリオクラタス、アスパラカス、カラジューム、。ハンパスなどの材料が適当である。主として細い線の材料よりも、たつぷりとした面0ある葉、集団的なかたまりのある花が活けやすい。三方に表を作るという用途、花形の問題もあるが、意匠的な特徴も多い花であるから、花材の性喪、形、色彩を充分選択して、個性のはつきりとした花を活ける様にする。活けるとき注意することは、正面を活けつつ、すぐその挿した花材が両側而から見て、よい形になつているかを考え、右からも左からも幾度となく見ながら、花を挿して行く、一方だけ形がよくても横から見ると悪い場合が多い。材料は普通の一方面の盛花の2侶の分量が必要である。また、三方而がそれぞれ変化のある花型である様に活けたい。写真の盛花は、正面から見て右側にひまわり、左側に菊が入っている。(花材))菊))はぶ茶の実すすきひまわり(右側面(左側面B c 6 三方面の盛花

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