10月号
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まわり雑「雑草のように強く」という言葉がある。雑草とはそんなに強いものだろ、っか。雑草というのは山草でも野草でもなく、人聞が利用しやすいように自然の地形や植生を変えた部分に生える草木類のことで、いわば人間と共生している植物なのである。だから空地に雑草は生えても、年数を経た廃嘘には自然植生が回復して木本類や山革、野草が雑草を駆逐してしま、っそ、つである。ど動物で云えば雀、土鳩ぱと、それから鼠のような生き物が雑草に当るのだろ、っ。いずれも人聞の生活の影響の下でのみ生きて行けるのである。そういうことを考えると雑草は弱い植物であるとも云えそうである。稲科の植物には雑草が多いのも人間とのつき合いが古いからかもしれない。作例に使ったフォックステイルも多分外国産の稲科の雑草だろ、つが大変美しく育てられている。そこに子供達に親しまれている日本の雑草、赤のまんまをとり合わせただけでも一瓶の盛花になるが、夏の名残りの向日葵をそえると童話的ないけ花となる。花材向日葵赤のまんまフォックステイル花器黒褐色角型花器ひ草11

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