10月号
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印2八表紙の花>紅葉は季節か巡ってきてはじめていけられる花材だが、惜しいことに長保ちしない。楓や七寵は古くから少しでも長く季節の美しさに接していたいと様々な工夫かこらされてきたが未だに決定的な水揚げ法はなく、切りたての枝を手早くいける以外に方法がない。夏が過ぎて、他の花材の保ちがよくなったのに、主材の紅葉類の腿色落葉の早いのは残念なことである。だが一時でも、いけた紅葉の美しさか心に残ればかえって印象も深いのではないだろうか。紅葉の盛季には葉のよく茂った枝を使って秋色豊かにいけたい。とり合わせは、楼赤色から黄色に緑色までまじっている葉色との配色には‘淡色の花が無難だろう。花材絃鹿の子百合花器赤褐色釉花瓶八2頁の花>秋口から初冬に椿の花が開くまでの間、実椿がよく使われる。実椿は美しいというより、その堅固な実の質朴さをいけたい花材である。従ってとりあわせる花材も華やかなものではなく、明るい色の清楚な花が似合っ゜花材実椿白小菊(糸車花器辰砂釉深鉢,3

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