10月号
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^r / 稽古のはじめの人は、品本花型がわかりよいが、これは材料を定った形の中にはめて練羽するのですから、自然の花の姿をきりすかしたり、枝葉花を形にはめてととのえる関係上、どうしても形が固くなり、自由さがなくなり、自然の姿をのびやかに抑すことができません。少し基本型を練習して、形のバランスや花葉の配置などに理解ができる様になると、夫があらわれる様に、自由採量の考え方をその次には花形を段々とときほぐす様に柔かくして行きます。なるべく自然の枝葉をそのまま使う様にして活け、枝が某本那からはり出す様に思っても、そのまま用いて自然さをこわさない様に考えます。初歩のことですから、あまり標準に外れると形がとれませんから、基本型にそいながら、長短を考えてみたり、基本の六つの枝をどこか省略して、五つに作ったり、四つに作ったり、或は別の場所に変化のある枝葉をさし出したり、組み方をいろいろ変え、作る人の工夫を自由にとり入れて、応用的な花形を作ります。2種、3種、4種と花材を増して、段々と複雑な花形と枝、花、葉の配府を変えて研究します。つまり、基本型の線に添いながら、自然の材料の活きる様に、作者のエ加えて行きます。これが応用花型の目的です。柚本花耶をしつかり勉怖して、それから応用花朋に入ります。作者の考案が入る様になると、そのいけばなは活々として、のびやかになり、完全な作品が作れる様になります。c c il 9月はじめに活けた。野生の栗(しばぐり)とテッボウユリの二種を、黒褐色のあめぐすりの鉢様の花器に入れた、緑と褐色と白花の落秤いた色調、季節感の深い雁花である。⑪オレソヂ色のツルモドキの実、黒く亦い紅菊を4本とり^11せて、横にひろがった形を作った。左方の長い枝に対して、菊を高く右方へ揃えて傾け、形のバランスをとった。応用花型ツ)レモドキ紅菊くり白百合cD

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